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大阪府高槻市の住宅街に、ぽつんとある「100円たこやき」
この物価上昇の時代に、たこやき4個100円?!しかも、高校生以下は、無料?!!どういうこと?!大丈夫?ビジネスとして、成り立っている?なんて勝手な不安を抱きながら、その秘密を探るべく、店主の“たこ焼き先生”こと、川人佑太さん(以下、たこやき先生)にお話を伺った。
コロナが僕を、たこやき屋にさせた。
たこやき先生は、大学卒業後、フリーター、大学事務職員、フリーター、大阪市の中学校数学教師を経て、2020年に、現在は非常勤としてお勤めになっている、ルネサンス大阪高校の正規職員・数学教師として、勤務を開始。ちょうどその時、コロナが流行し、仕事は、新米教師ながらも、いきなり在宅勤務に。さらに、当時年中だったお子さんも自宅保育になり、日常が、数学教師か父親かのいずれかに限定され、まったく余裕のない日々を過ごしていたそうだ。
そんな中、コロナの流行が少し収まり、久しぶりに子供を公園に連れていき、パパ友と会って、対面で話をしたときに、なんだか急に自分が解き放たれた、という。
“そうか、おれ、雑談がしたかったんだ。なら、たこやき屋をやろう。”と。
練って、練って、よりも、出たとこ勝負。
そう思ったときには、すでに、ルネサンス大阪高校に、たこやき屋をやるから、来年から非常勤にしてくれないか、と切り出し、たこやき屋の準備にとりかかっていた。そして、値段によって区切りをつけたくなかったから、誰でも来られるように「100円たこやき」にして、開店。最初は、子供も無料ではなく、みんな100円だったという。
そんな中、開店して1ヶ月くらい経って、友達が、おごりチケットにでもして、と多めにお金をおいてってくれたことがきっかけで、それなら、高校生まで無料にして、その子供たちに“たこ焼きを食べさせられる権利”を売ろう。ということで、サポーターをインターネット上に募ってみたのであった。
(※100円たこやき公式サポーター:https://note.com/kawahii/membership/join)

教師時代のつながりや、地域のつながりから、世界へ。
そうすると、まずは知り合いから。続いて、教師時代にSNSのつながりがあった人が、サポーターになってくれた。すると、当時通ってくれていた小学生の親族がニュースのライターさんをされていて、そこで、記事を書いてくれた。また、毎日たこやきのインスタグラム(https://www.instagram.com/hyakuentakoyaki/)を投稿していたら、それを近所に住んでいる人がリポストしてくれた。そんなことが重なって、気づいたら、バズってた。という。今では、ネットニュースだけでなく、有名YouTuberがショート動画にしていたり、TVでも取り上げられたり、多くのところでバズらさせてもらって、今のたこやき屋が成り立っているそうだ。
人生のおまけ、みたいなもん。金以外は、全部ある。
たこやき先生にお話を伺っていて、印象的だった言葉だ。
生活費は、非常勤講師の給料で成り立っている、という。だから、たこやき屋は、自分のパフォーマンスが発揮できそうな舞台として、ルールのない舞台で、おもろいことをやり続けていきたいそうだ。地域のお祭りに出店したり、親御さんとの懇親会を開いたりするなどして、今後もいろんなことを仕掛けていく予定とのこと。
また、お店に来る子どもたち(私が取材に伺った時間帯は小学生中心)との雑談を見ていると、ほんとに何気ない雑談をして、何事もなく去っていっていた。子どもたちが、自然と集まり、立ち寄っていく場所になっており、なんとも平和で、非常に尊い時間がそこにはあった。
「雑談がしたい。」ただ、その思いから、なにもないところに、出たとこ勝負で、自分が勝負できる舞台、時間を作り出している。そこにこそ、オモロイが潜んでいるのだと思う。たこやき先生の動向には、今後も目が離せなそうだ。最後におまけついでだが、たこやき先生は、ボディビルダーでもあるらしい。ますます目が離せない。

お店情報:100円たこやき
営業時間:月曜~金曜 1530~1830(※たこやきなくなり次第終了)
住所:大阪府高槻市川西町1-14-14東側
100円たこやき公式サポーター:https://note.com/kawahii/membership/join
